「…………」
無言で主水は考えていた。
と、陣十郎が独言のように云った。
「すべての術は単独ではない。すべての法は独立してはいない。……『逆ノ車』もその通りだ。『逆ノ車』そればかりを単独に取り上げて研究したでは、とうてい破ることは出来ないだろう。……その前後だ、肝心なのは! ……どういう機会に遭遇した時『逆ノ車』を使用するか? ……『逆ノ車』を使う前に、どうそこまで持って来るか? ……こいつを研究するがいい。……こいつの研究が必要なのだ」
ここで陣十郎は沈黙した。
主水は熱心に聞き澄ましていた。
そう陣十郎に云われても、主水には意味が解らなかった。いやそう云われた言葉の意味は、解らないことはなかったが、それが具体的になった時、どうなるものかどうすべきものか、それがほとんど解らなかった。
で、いつ迄も黙っていた。
「澄江殿はどうして居られるかのう」
こう如何にも憧憬《あこが》れるように、陣十郎が云いだしたのは、かなり間を経た後のことであった。
異様な声音に驚いて、主水は思わず陣十郎を見詰めた。
と、陣十郎の頬の辺りへ、ポッと血の気が射して燃えた。
(どうしたことだ?)と
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