?)
改めて神棚を眺めた。燈明の火が明るく輝き、紫の幕が、華やかに栄《は》え、その奥から、真鍮《しんちゅう》の鋲《びょう》を持った祠《ほこら》の、扉《とぼそ》が覗いていた。
(あの祠の中に天国があるのではあるまいか)
彼がここへ来たもう一つの目的は、五郎蔵が来栖勘兵衛だとして、はたして、天国の剣を持っているかどうか、それを知ることであった。
頼母はじっと神棚を見詰めた。
と、
「わーッ」
という声が聞こえ、
「一《ぴん》だーッ」
「お侍《さむれえ》、やられたのーッ」
という声が聞こえた。
頼母は、はっ[#「はっ」に傍点]として、盆の方を見た。
骰子《さいころ》の目が、一を出して、目紙の上に、ころがっている。
(態《ざま》ア見ろ!)というように、染八が、浪人の前から、百二十五両を掻き集めようとしているのが見えた。
「待て!」
浪人が刀を抜き、ピタリと目紙の上へ置いた。
「その金、引くことならぬ!」
「何を!」
「賭場荒らしだーッ」
場内総立ちになった。
瞬間に浪人は、編笠を刎《は》ね退け、蒼黒い、痩せた、頬骨の高い、五十を過ごした、兇暴の顔を現わし、落ち窪んで、眼隈
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