は平気である。
「しかしきゃつらは無尽蔵だからな」
「百人も殺したら形が付こう。茄子《なす》や大根を切るようなものだ」紋太夫は豪語する。
「しかしそれまでにはこっちも疲労《つか》れよう」
「ナニ、疲労《つか》れたら休むまでよ」
「俺の考えは少し違う」考え考えホーキン氏は云う。「俺は後へ引っ返そうと思う」
「引っ返すとはどこへ行くのだ?」
「俺の通って来たこの地下道は、幸いのことに迷宮ではない。枝道のない一本道だ。そうして社殿へ通じている。……だからこの道を二人で辿ってひとまず社殿へ出ようと思う」
「なるほど」と云ったが紋太夫は賛成の様子を見せなかった。
「なるほどそれもよいかも知れない。しかし俺は不賛成だ」
「ふうむ、不賛成? それは何故かな?」
「俺はオンコッコと約束した。剣《つるぎ》を取って来ると約束した。是非とも剣は取らなければならない」
「剣は大いに取るがいいさ。しかし今は機会《おり》が悪い」ホーキン氏は熱心に、「そうだ今は機会《おり》が悪い。とにかく一旦地下を出て、日の光の射す地の上へ出て、そうして部下を呼び集め、さらに再びこの地下道から地下の国へ侵入し、その剣を取るもよく、
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