加利福尼亜の宝島
(お伽冒険談)
国枝史郎
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)小豆島《あずきじま》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)その方|以前《まえかた》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)叱※[#「口+它」、第3水準1−14−88]《しった》
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一
「小豆島《あずきじま》紋太夫が捕らえられたそうな」
「いよいよ天運尽きたと見える」
「八幡船の後胤もこれでいよいよ根絶やしか。ちょっと惜しいような気もするな」
「住吉の浜で切られるそうな」
「末代までの語り草じゃ、これは是非とも見に行かずばなるまい」
「あれほど鳴らした海賊の長《おさ》、さぞ立派な最期《さいご》をとげようぞ」
摂津国《せっつのくに》大坂の町では寄るとさわると噂である。
当日になると紋太夫は、跛《ちんば》の馬に乗せられて、市中一円を引き廻されたが、松並木の多い住吉街道をやがて浜まで引かれて来た。
矢来の中へ押し入れられ、首の座へ直ったところ
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