小豆島氏、紋太夫殿」ホーキン氏は呼びかけた。
「何んでござるな? 何かご用かな?」
「拙者、武器を持っていませぬ」
「武器がないとな。いやいや大丈夫。武器を持っている土人めを拙者真っ先に叩き斬るゆえ、そいつの武器をお使いなされ」
「これは妙案。お願い申す」
 で、二人は沈黙した。じっと向こうの様子を窺《うかが》う。
 と、五、六人ヒラヒラと穴から地下道へ飛んだ者がある。とまた五、六人ヒラヒラと蝙蝠《こうもり》のように飛び下りて来た。武器を持った土人どもである。すぐに彼らは一団となり、何か大声で喚きながら、地上を熱心に探し廻る。紋太夫の死骸を探すのでもあろう。死骸のないのを確かめたからか、彼らはいかにも不思議そうに顔を集めて話し合ったがややあって颯《さっ》と別れると、一列縦隊に組を組み、ここへ足早に走って来た。
「ホーキン氏《うじ》、来ましたぞ」「さようかな、それは面白い」
 こちらの二人は囁き合いながら、土人の近寄るのを待っている。
 土人が手に持った松火《たいまつ》の光で、地下道の中は昼のように明るく、そのため土人の行動は手に取るように解ったが、二人は岩に隠れているので、土人の眼には
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