士になろうと無数の騎士達は努力する。これがすなわち騎士道じゃ!」
「なるほど、説明でよく解った。いやどうも立派なものだ。いかさまそれこそ大和魂だ」
「それではそなたは大和魂で、そうしてこちらは騎士道で、土人どもに当たるとしようぞ」
「向かうところ敵はあるまい」
「そろそろ土人ども来ればよいに」
「や、にわかに明るくなったぞ」
危難を眼前に控えながら、小豆島紋太夫とホーキン氏とはお国自慢兵法話に、夢中になっていた折りも折り、薄暗かった地下道の中がカッと明るく輝いたので、驚いてそっちを眺めると、石畳が落ちて出来た穴から、松火《たいまつ》が幾本か差し出されている。土人どもが覗いているのだ。
「さてはいよいよ下りて来るな」「少し奥へ引っ込んでいようぞ」
地下道の二人は囁《ささや》き合いながら、そっと奥へ身を引いたが、ちょうど幸い左右の岩壁から、体を隠《かく》すに足りるような二つの岩が突き出ていたので紋太夫は左手の岩の蔭へ、ホーキン氏は右手の岩の蔭へ、素早く姿を隠したが、困ったことにはホーキン氏は手に武器を持っていない。酋長オンコッコに捕らえられた時、悉皆《しっかい》掠奪されてしまった。
「
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