島の渚《なぎさ》へ下り立った。
島は美しく可愛らしく周囲一町もなさそうであった。
「これが伝説の宝島だろう」
「そうだそれに違いない」
「大急ぎで宝を目付けようぜ」
「よしきた、目付けよう、競争だ!」
そこで二人は走り廻った。
日出夫少年は頂上を目がけ兎のように駈け上がった。そうしてそこで目付けたのは巨大な鉄の箱であった。腐蝕した穴から黄金の光が燦然《さんぜん》と彼の眼《まなこ》を射た。
「目付けた!」
と彼は歓喜の声を湾一杯に響かせた。そうだ、彼は目付けたのであった。それこそ伝説に語られてある「チブロン島の宝庫」なのであった。
そこで二人は舟へ乗り、急いで外海へ出ようとした。
「おや、あんな所に階段があるよ!」
こう云いながらジョン少年は、湾をグルリと囲繞《とりま》いていた洞窟《ほらあな》の内壁を指差した。
洞窟の内壁を上の方で斜めに階段が出来ていた。その上層は闇に鎖ざされほとんど見ることが出来なかった。
好奇心の強い二少年がこれを見遁がす訳がない。二人は舟を岸へ着けると揃って階段を上へ登った。
三十
やがて二人は登り尽くし、不思議な神秘的な平原
前へ
次へ
全113ページ中110ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
国枝 史郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング