をすぎて、青海原へ沈み行くのに、何も知らぬ領主の君。(間)さても白いお前の肌(と女をしげしげと眺め)ローマの朝の白露が野茨の花へ降ったようだ。鴻の鳥の胸毛のようだ。建国の第一の朝に、汚れを知らぬ谷の洞から、湧き上がった霧のようだ。(やや悲しげに)それが今や汚される。(罌粟畑を眺め)この広い血の海で、その白無垢が赤く染まる。(竪琴を眺め)どのように銀の調《しらべ》が、血と暗《やみ》とを喜ぶだろう――。女よ再び暗と血薔薇の呪詛を受けよ。(と短嬰ヘ調をかき鳴らす。琴と共に「暗と血薔薇」の歌を歌う)

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暗がわが身を取りかこむ、
裸身なれど恥らわじ。
……………………
抱く男のやわ肌を
燃ゆる瞳にさがさばや

罪が巣くいし血薔薇とて、
恋の生身を刺すとかや、
暗なれば血は見えずして。
……………………
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(この歌と共に、女子は弱々しく歩む。Fなる魔法使いはなお歌い弾く)

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一夜の情にほだされて、
大理石なる清き身を
罪に渡すも男ゆえ。
砒素の歌……………
真珠に盛りし鴉片《あへん》さえ
女子の恋はうつせまじ。
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