ら図表下部解説文]
実験中最初の四週間においては、食事給与を受けたる児童の体重は、一週日平均六オンスの増加を示した。ことに最初の一週日間においては、その増加最も急激にして、平均一ポンド四オンスであった。かくて実験期間を通じて、食事給与を受けたる児童の体重は平均二ポンド八オンスふえたが、給与を受けざりし者の体重は一ポンド四オンスふえたに過ぎぬ。
(一オンスはわが七匁五五九、一ポンドは十六オンスにして百二十匁余に当たる)
[#ここで図表下部解説文終わり]
そこでこのブラッドフォード市においては、なんらの躊躇《ちゅうちょ》なく、いよいよ大規模に食事の公給を開始することとなり、かくて今日同市の設備は、この種の経営中世界最美のものなりと称せらる。すなわち因《ちな》みをもってその組織設備の一斑を述べんに、通学児童は何人にても自由に食事の給与を受け得らるれども、ただ無料にてこれを受けんとする者に対しては、委員においてその児童の家庭の状態を調査し、その事情に応じて無料の給与を許し、あるいは実費の一部ないし全部を納付せしむることとす。児童はその社会階級のいかんを問わず、すべていっしょに同じ食堂で食事を
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