A人々が次第に新たなる経済組織に慣らされて来ると、あるいは戦後にも戦時中の組織がそのまま維持せられるかもしれない。否戦後もしばらくの間は、諸国民とも戦時と同じ程度の臥薪嘗胆《がしんしょうたん》を必要とするであろうから、戦時中の組織はおそらく戦争の終結とともに直ちに全くくずれてしまって、すべてがことごとく元のとおりになるという事はあるまい。少なくとも私はそう考える。それゆえ、私はプレンゲ氏とともに一九一四年はおそらく経済史上において将来一大時期を画する年となるであろうと思う。[#地から1字上げ](十二月八日)
十一の一
これを要するに、人と境遇との間には因果の相互的関係がある。すなわち人は境遇を造り、境遇もまた人を造る。しかしながらそのいずれが本《もと》なりやと言えば、境遇は末で人が本である。それゆえ、社会問題の解決についても、私は経済組織の改造という事をば、事の本質上より言えば、根本策中の根本策とはいい得られぬものだというのである。
しかし私はそう言ったからとて社会の制度組織が個人の精神思想の上に及ぼす影響を無視せんとする者ではない。否むしろ私は人並み一倍、経済の
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