は宋人朱継芳の塵飛[#(デ)]不[#レ]到処、山色入[#二]芒※[#「尸+(彳+婁)」、第4水準2−8−20]《バウク》[#一]、乗[#レ]興一長吟、回[#レ]頭已忘[#レ]句を思ひ起さしめるが、恐らく朱継芳の方が年代は後であらう。春江有佳句、我酔堕渺莽の方は、幸にして詩の全体を求めることが出来た。それは和[#二]陶帰園田居六首[#一]の一つで、かういふのである。
[#ここから2字下げ]
窮猿既[#(ニ)]投[#レ]林、 痩馬初[#(テ)]解[#レ]鞅
心空飽新得、 境熟夢餘想
江鴎漸[#(ク)]馴集、 蜑叟已[#(ニ)]還往
南池緑錢生、 北嶺紫筍長
提[#(グモ)][#レ]壺[#(ヲ)]豈解[#(センヤ)][#レ]飮[#(ヲ)]、 好語時見[#レ]廣
春江有[#二]佳句[#一]、 我酔堕[#二]渺莽[#一]
[#ここで字下げ終わり]
さて此の最後の一聯について久保天随氏の講釈を見ると、それにはかう書いてある。「春江に臨めば、自然、佳句も出来るが、やがて我は酔うて、草木渺莽たる中に倒れて寐てしまつた」。これでは東坡先生も苦笑されざるを得ないだらう。詩にいふ渺莽《ベウバウ
前へ
次へ
全33ページ中12ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
河上 肇 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング