ら》の鐘いま大砲《おほづつ》となる
とつくにの行列買をあざけりし日本人《につぽんじん》が今は列成すも
権力の命ずるがままに寝返れる女郎《ぢよらう》の如き学者ぞあはれ
おしなべて富める家庭はひややかに貧乏夫婦はよく喧嘩すも(原君の手紙の中に夫婦喧嘩のことなど書きありしより、自らも省みて)
末梢の些事を女房と争ひて怒れる我は見るにみにくし
身をおくにせまき家居をかこたざれせまき心ぞ恥づべかりける
貧しかる狭き家居も住む人のひろき心に家ぬちうるほふ
もろもろの物資ともしくなる〔な〕べに盗みごころの日々《ひび》にはびこる(銭湯にて屡※[#二の字点、1−2−22]シャツを盗まるる由聞きて)
[#地から1字上げ]十二月二十六日
配給の餅は一升四合ゆゑ湯山の餅はうれしかりけり(熊本県水山[#「山」に「〔上〕」の注記]村湯山の北御門氏より重ねて餅を送り来たる)
朝あけに水道氷り北山は雪まだらなる冬となりけり
おしなべて読む物よりも食《を》し物〔を〕喜ぶ老に我は入りけり(鈴木安蔵自著を寄せられしに対し)
[#地から1字上げ]十二月二十九日
ひとやにて八年《やとせ》まへより聞きゐたる浸[#「浸」に「〔進〕
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