二十二日
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不覺浮沈
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脱得狂瀾地 狂瀾の地を脱し得て、
隨流游魚心 流に随ふ游魚のこゝろ。
棄躯輕似葉 棄躯軽きこと葉に似、
不復覺浮沈 また浮沈を覚えず。
[#地から1字上げ]一月二十四日
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六十初學詩
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偶會狂瀾咆勃時 偶※[#二の字点、1−2−22]狂瀾咆勃の時に会ひ、
艱難險阻備嘗之 艱難険阻つぶさに之を嘗む。
如今覓得金丹術 如今覓め得たり金丹の術、
六十衰翁初學詩 六十の衰翁初めて詩を学ぶ。
[#地から1字上げ]一月二十六日
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良寛上人
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寂寞空山是故郷 寂寞たる空山これ故郷、
結庵來臥老杉傍 庵を結び来り臥す老杉の傍。
一鉢生涯貧巷吟 一鉢生涯貧巷に吟じ、
千金遺墨富兒藏 千金の遺墨は富児蔵す。
[#地から1字上げ]一月二十九日
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初めて尋ね来し人に贈る
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世を忘れ世に忘られし門の戸を尋ねて君や道迷ひけむ
[#地から1字上げ]一月三十一日
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