く満ち、
且留悴竹姿 且《しば》らく留む悴竹の姿。
不辭蒙霜雪 霜雪を蒙るを辞せず、
信風兩三枝」 風に信《まか》す両三枝。
悠悠遲暮意 悠々たり遅暮の意、
無悔半生癡 悔ゆるなし半生の痴。
眞箇樂天叟 真箇楽天の叟、
舍予復有誰 予《われ》を舎《お》いて復た誰か有る。
[#地から1字上げ]七月九日定稿
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途上所見
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夕陽將欲沒 夕陽将に没せんとして、
紅染紫霄時 紅、紫霄を染むる時、
弄色西山好 色を弄して西山好し、
乾坤露玉肌 乾坤玉肌を露《あら》はす。
[#地から1字上げ]七月十日
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世事無知
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生民救死不遑時 生民死を救うて遑あらざる時、
何意悠悠獨賦詩 何の意ぞ悠々独り詩を賦せる。
休怪衰翁六十四 怪むを休めよ衰翁六十四、
耳聾世事久無知 耳聾して世事久しく知る無し。
[#地から1字上げ]七月十五日
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明月
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大空に星一つなく月まろし酒のまぬ身もたかどのを恋ふ
まんまるな月のあまりに近ければたかどのに来てき
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