[#ここで字下げ終わり]
草廬何所樂  草廬何の楽むところぞ、
春晩賦詩頻  春|晩《く》れて詩を賦すること頻りなり。
小院無窮興  小院窮りなきの興、
今朝竹葉新  今朝竹葉新たなり。
[#地から1字上げ]六月十四日

[#ここから2字下げ]
六月十九日夢
[#ここから4字下げ]
六月十九日夜、夢に、再び安逸の生活を脱せざるを得ざる必要に迫まられ、また家人と分れ、詩書とも分れざるを得ざるかと思ひ、心せつなく、如何にせば宜しからんと迷ひ居るうち、夢始めて醒め、暫くは果して夢なりしかと疑ふほどなりき
[#ここで字下げ終わり]
欲重臨易水  重ねて易水に臨まんとし、
夢破粟膚生  夢破れて粟膚生ぜり。
嘗臥幽囹月  嘗て幽囹の月に臥す、
至今夢易驚  今に至るも夢驚き易し。
[#地から1字上げ]六月二十一日作

[#ここから2字下げ]
自畫像(六十四歳夏)
[#ここで字下げ終わり]
休怪作魚蠹  怪むを休めよ魚蠹と作《な》れるを、
惟愛古賢詩  惟だ古賢の詩を愛するなり。
茅堂一架帙  茅堂一架の帙、
取次百花披」 取次百花|披《ひら》けり。
天許閑兼健  天は許す閑と健とを、
粗飯甘
前へ 次へ
全75ページ中47ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
河上 肇 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング