寒風吹雨、雨如雪。囚衣甚薄、粟脱膚。至今猶不能忘。一夢已八年、又賦七絶。此詩起承共借放翁句
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蕭蕭風雨小江秋 蕭々たる風雨、小江の秋、
不是愁人亦合愁 是れ愁人ならざるも亦た愁ふべし。
至今猶想荒川雨 今に至るも猶ほ想ふ荒川の雨、
手械東過白首囚 手械 東に過ぐ 白首の囚。
[#地から1字上げ]七月六日
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夏日閑居
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砲火動坤軸 砲火坤軸を動かす、
蝸廬何所營 蝸廬何の営む所ぞ。
迎風撒紙※[#「片+(戸の旧字+甫)」、第3水準1−87−69] 風を迎へて紙※[#「片+(戸の旧字+甫)」、第3水準1−87−69]を撒《はら》ひ、
逐清搬楸※[#「木+怦のつくり」、第4水準2−14−44] 清を逐うて楸※[#「木+怦のつくり」、第4水準2−14−44]を搬《うつ》す。
一枕蠹書裡 一枕蠹書の裡、
千山煙雨情 千山煙雨の情。
我今死無悔 我 今 死すとも悔なし、
那又妨長生 那ぞ又た長生を妨げん。
[#地から1字上げ]七月十日
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遣懷
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宛如萍在水
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