らひとまのいへにとりかこむきみがたまどこ思《も》へばかなしも[#地から1字上げ]十二月十三日
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昭和十五年大晦日
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いまはただひとつのみあるわがねがひいたみなく病みてらくに死なまし
[#改段]
〔昭和十六年(一九四一〕
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谷口博士見贈榧製棋局賦詩謝之
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憑君爲我畫※[#「やまいだれ+瞿」、第3水準1−88−62]仙 君に憑む我がために※[#「やまいだれ+瞿」、第3水準1−88−62]仙を画け、
六十三翁獨樂天 六十三翁ひとり天を楽む。
風骨※[#「月+瞿」、76−下−5]然如病鶴 風骨※[#「月+瞿」、76−下−5]然病鶴の如し、
蠹簡堆中棋局前 蠹簡堆中棋局の前。
[#地から1字上げ]二月十八日
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畑田君見誘探梅以詩答之
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衰翁六十又加三 衰翁六十また三を加ふ、
莫怪春來尚蟄庵 怪むなかれ春来尚庵にひそむを。
病骨支離難耐歩 病骨支離歩に耐へがたし、
間窗枕帙夢江南 間窓帙を枕として江南を夢む。
[#地から1字上げ]三月
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