つるに似たり。
祇喜囘頭無所悔 たゞ喜ぶ頭《かうべ》をめぐらして悔ゆる所なきを、
誰知這箇野翁情 誰か知る這箇野翁の情。
一身痩盡纔存骨 一身痩せ尽して纔に骨を存し、
萬卷抛來空賦詩 万巻抛ち来りて空しく詩を賦す。
憐爾刑餘垂死叟 爾を憐む刑余垂死の叟、
半生得失待誰知 半生の得失誰を待ちてか知らむ。
[#地から1字上げ]十月二十日
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自画像に題す
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鏡せばおさなくて見しおほははと見まがふばかりわれふけにけり[#地から1字上げ]十二月十四日
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余年二十六歳之時、初號千山萬水樓主人、
連載社會主義評論于讀賣新聞紙上、名顯
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夙號千山萬水樓 夙に号して千山万水楼といふ、
如今草屋似扁舟 如今草屋扁舟に似たり。
相逢莫怪名殊實 相逢うて怪むなかれ名の実と殊なるを、
萬水千山胸底收 万水千山胸底に収む。
[#地から1字上げ]十二月十四日
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落葉の自画に題す
[#ここで字下げ終わり]
われもまた落葉に埋る苔清水あるかなきかのかそけさに生く
[#地から1字上
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