春ならざるに長《とこし》へに春を探るの人有りしに、春に遊ぶの人尽きて空く池在り、直ちに春の深きに至りて春に似ず。)


 古意     王駕

夫[#「夫」に白丸傍点]戍蕭關妾[#「妾」に白三角傍点]在呉西風吹妾妾[#「妾妾」に白三角傍点]憂夫[#「夫」に白丸傍点]一行書信千行涙寒到[#「到」に白丸傍点]君邊衣到[#「到」に白丸傍点]無
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 前の詩には春字五、遊、人の二字は各※[#二の字点、1−2−22]二、後の詩には妾字五[#「五」に「〔三〕」の注記]、夫、到の二字が各※[#二の字点、1−2−22]二、重複してゐるが、そのために特別の味が出てゐるとは思はれない。


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 春夜     劉象

幾處[#「處」に白三角傍点]兵戈阻路岐憶山[#「山」に白丸傍点]心切與山[#「山」に白丸傍点]違時難何處[#「處」に白三角傍点]披懷抱日日日[#「日日日」に白丸傍点]斜空醉歸
(幾処か兵戈路岐を阻て、山を憶ふ心切にして山と違ふ。時難にして何れの処か懐抱を披かん、日々日斜にして空く酔うて帰る。)


 春夜     劉象

一別杜陵歸未期祇憑魂夢接親
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