閑人詩話
河上肇
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)杏《あんず》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)巴山|此《ここ》を
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「特のへん+古」、第4水準2−80−21]
[#…]:返り点
(例)書[#二]李世南所[#レ]畫秋景[#一]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ふら/\と
−−
佐藤春夫の車塵集を見ると、「杏花一孤村、流水数間屋、夕陽不見人、※[#「特のへん+古」、第4水準2−80−21]牛麦中宿」といふ五絶を、
[#ここから3字下げ]
杏《あんず》咲くさびしき田舎
川添ひや家をちこち
入日さし人げもなくて
麦畑にねむる牛あり
[#ここで字下げ終わり]
と訳してあるが、「家をちこち」はどうかと思ふ。原詩にいふ数間の屋は、三間か四間かの小さな一軒の家を指したものに相違なからう。古くは陶淵明の「園田の居に帰る」と題する詩に、「拙を守つて園田に帰
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