「看花」に白丸傍点]還看花[#「看花」に白丸傍点]、春風江上路、不覚到君家」の如く、王安石の「水[#「水」に白丸傍点]南水[#「水」に白丸傍点]北重重[#「重重」に白丸傍点]柳、山[#「山」に白丸傍点]後山[#「山」に白丸傍点]前処処[#「処処」に白丸傍点]梅、未即此身随物化、年年長趁此時来」の如く、また陸放翁の「不[#「不」に白丸傍点]飢不[#「不」に白丸傍点]寒万事足、有[#「有」に白丸傍点]山有[#「有」に白丸傍点]水一生閑、朱門不管渠痴絶、自愛茅茨三両間」の如く、一句中に同字を用ひるは差支なきも、一首中に句を別にして同字を重ね用ひるは、原則として厭むべきものとされてゐる。しかし同字の重畳によつて却て用語の妙を発揮せる例も少くない。
前に掲げた孟浩然の送友人之京と題せる五絶の如きは、その適例の一つであるが、文同(晩唐)の望雲楼と題する次の五絶の如きも、各句に楼字を重ね用ひることによつて、特殊の味を出して居ると思はれる。
[#ここから3字下げ]
巴山樓[#「樓」に白丸傍点]之東 巴山は楼の東、
秦嶺樓[#「樓」に白丸傍点]之北 秦嶺は楼の北。
樓[#「樓」に白丸傍点
前へ
次へ
全44ページ中7ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
河上 肇 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング