レ]畫秋景[#一]
野水參差落漲痕 野水参差として漲痕落つ、
疎林※[#「奇+支」、第4水準2−13−65]倒出霜根 疎林※[#「奇+支」、第4水準2−13−65]倒して霜根出づ、
扁舟一櫂歸何處 扁舟一櫂何の処に帰る、
家在江南黄葉邨 家は江南黄葉の邨に在り、
[詩意]野水は東西南北参差として、何《いづれ》も漲痕が落ちてある、其の上の疎林は※[#「奇+支」、第4水準2−13−65]倒の形を為して霜根を露出する、扁舟は舟人一櫂して何《いづれ》の処に帰るやを知らず、察するに江南黄葉邨に帰るのであらう、其の方向に舟は進みつつある、
[字解](一)参差 不斉の貌、詩経に参差※[#「くさかんむり/行」、第3水準1−90−82]菜とある、(二)一櫂 一棹に作る本あり、」
[#ここで字下げ終わり]
これなどは巻中まだましな方であるが、有名な詩だから先づ之を見本に写し出して見た。詩意として書き付けてある文章は、中学生の答案としても恐らく落第点であらう。文章のよしあしは別として、「漲痕」とは何のことか、「漲痕が落ちてある」とはどういふ意味か、「疎林が※[#「奇+支」、第4水
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