がひそやかに三人の姉妹にはいよっていた。もう少し睡気《ねむけ》を催して来た貞世は、泣いたあとの渋い目を手の甲でこすりながら、不思議そうに興奮した青白い姉の顔を見やっていた。愛子は瓦斯《がす》の灯《ひ》に顔をそむけながらしくしくと泣き始めた。
葉子はもうそれを止めようとはしなかった。自分ですら声を出して泣いてみたいような衝動をつき返しつき返し水落《みぞおち》の所に感じながら、火鉢の中を見入ったまま細かく震えていた。
生まれかわらなければ回復しようのないような自分の越し方《かた》行く末が絶望的にはっきり[#「はっきり」に傍点]と葉子の心を寒く引き締めていた。
それでも三人が十六畳に床を敷いて寝てだいぶたってから、横浜から帰って来た倉地が廊下を隔てた隣の部屋《へや》に行くのを聞き知ると、葉子はすぐ起きかえってしばらく妹たちの寝息気《ねいき》をうかがっていたが、二人がいかにも無心に赤々とした頬《ほお》をしてよく寝入っているのを見窮めると、そっとどてら[#「どてら」に傍点]を引っかけながらその部屋を脱け出した。
二五
それから一日置いて次の日に古藤から九時ごろに来るがいいかと
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