「何をといってこの古藤という青年はあまり礼儀をわきまえんからよ。木村さんの親友親友と二言《ふたこと》目には鼻にかけたような事をいわるるが、わしもわしで木村さんから頼まれとるんだから、一人《ひとり》よがりの事はいうてもらわんでもがいいのだ。それをつべこべ[#「つべこべ」に傍点]ろくろくあなたの世話も見ずにおきながら、いい立てなさるので、筋が違っていようといって聞かせて上げたところだ。古藤さん、あなた失礼だがいったいいくつです」
葉子にいって聞かせるでもなくそういって、倉地はまた古藤のほうに向き直った。古藤はこの侮辱に対して口答えの言葉も出ないように激昂《げきこう》して黙っていた。
「答えるが恥ずかしければしいても聞くまい。が、いずれ二十《はたち》は過ぎていられるのだろう。二十過ぎた男があなたのように礼儀をわきまえずに他人《ひと》の生活の内輪にまで立ち入って物をいうはばかの証拠ですよ。男が物をいうなら考えてからいうがいい」
そういって倉地は言葉の激昂《げきこう》している割合に、また見かけのいかにも威丈高《いたけだか》な割合に、充分の余裕を見せて、空うそぶくように打ち水をした庭のほうを
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