うな堅肉《かたじし》の肉体を美しく折り曲げて、雪白《せっぱく》のシャツを手に取り上げるのだった。葉子がちゃん[#「ちゃん」に傍点]と倉地にかしずいてそこにいるのを全く無視したようなずう[#「ずう」に傍点]ずうしい態度が、ひがんでしまった葉子の目には憎々しく映った。
 「よけいな事をおしでない」
 葉子はとうとうかっ[#「かっ」に傍点]となって愛子をたしなめながらいきなり[#「いきなり」に傍点]手にあるシャツをひったくってしまった。
 「きさまは……おれが愛ちゃんに頼んだになぜよけいな事をしくさるんだ」
 とそういって威丈高《いたけだか》になった倉地には葉子はもう目もくれなかった。愛子ばかりが葉子の目には見えていた。
 「お前は下にいればそれでいい人間なんだよ。おさんどん[#「おさんどん」に傍点]の仕事もろくろくできはしないくせによけいな所に出しゃばるもんじゃない事よ。……下に行っておいで」
 愛子はこうまで姉にたしなめられても、さからうでもなく怒《おこ》るでもなく、黙ったまま柔順に、多恨な目で姉をじっ[#「じっ」に傍点]と見て静々《しずしず》とその座をはずしてしまった。
 こんなもつれ
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