報に続き物でおねえ様とその倉地という方の事が長く出ていましたのよ」
 「へーえ」
 葉子は自分の無知にあきれるような声を出してしまった。それは実際思いもかけぬというよりは、ありそうな事ではあるが今の今まで知らずにいた、それに葉子はあきれたのだった。しかしそれは愛子の目に自分を非常に無辜《むこ》らしく見せただけの利益はあった。さすがの愛子も驚いたらしい目をして姉の驚いた顔を見やった。
 「いつ?」
 「今月の始めごろでしたかしらん。だもんですから皆さん方《がた》の間ではたいへんな評判らしいんですの。今度も塾《じゅく》を出て来年から姉の所から通いますと田島先生に申し上げたら、先生も家の親類たちに手紙やなんかでだいぶお聞き合わせになったようですのよ。そしてきょうわたしたちを自分のお部屋《へや》にお呼びになって『わたしはお前さん方《がた》を塾から出したくはないけれども、塾に居続ける気はないか』とおっしゃるのよ。でもわたしたちはなんだか塾にいるのが肩身が……どうしてもいやになったもんですから、無理にお願いして帰って来てしまいましたの」
 愛子はふだんの無口に似ずこういう事を話す時にはちゃん[#「
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