、ひとり吾に聴く、奥津城《おくつき》処《どころ》、わが栖家《すみか》。
世の終《をふ》るまで、吾はしも己が心のあだがたき。
亡恩に栄華は尽きむ、里鴉《さとがらす》畠《はた》をあらさむ、
収穫時《とりいれどき》の頼《たのみ》なきも、吾はいそしみて種を播《ま》かむ。
ゆめ、自《みづか》らは悲まじ。世の木枯もなにかあらむ。
あはれ侮蔑《ぶべつ》や、誹謗《ひぼう》をや、大凶事《おほまがごと》の迫害《せまり》をや。
たゞ、詩の神の箜篌《くご》の上、指をふるれば、わが楽《がく》の
日毎に清く澄みわたり、霊妙音《れいみようおん》の鳴るが楽しさ。
*
長雨空の喪《はて》過ぎて、さすや忽ち薄日影、
冠《かむり》の花葉《はなば》ふりおとす栗の林の枝の上に、
水のおもてに、遅花《おそばな》の花壇の上に、わが眼にも、
照り添ふ匂なつかしき秋の日脚《ひあし》の白みたる。
日よ何の意ぞ、夏花《なつはな》のこぼれて散るも惜からじ、
はた禁《とど》めえじ、落葉《らくよう》の風のまにまに吹き交《か》ふも。
水や曇れ、空も鈍《に》びよ、たゞ悲のわれに在らば、
想《おもひ》はこれに養はれ、心はために勇《ゆ
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