に心の悲める。
秋風《あきかぜ》わたる青木立《あをこだち》
葉なみふるひて地にしきぬ。
きみが心のわかき夢
秋の葉となり落ちにけむ。
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わかれ ヘリベルタ・フォン・ポシンゲル
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ふたりを「時」がさきしより、
昼は事なくうちすぎぬ。
よろこびもなく悲まず、
はたたれをかも怨むべき。
されど夕闇おちくれて、
星の光のみゆるとき、
病の床のちごのやう、
心かすかにうめきいづ。
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水無月《みなづき》 テオドル・ストルム
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子守歌風に浮びて、
暖かに日は照りわたり、
田の麦は足穂《たりほ》うなだれ、
茨《いばら》には紅き果《み》熟し、
野面《のもせ》には木の葉みちたり。
いかにおもふ、わかきをみなよ。
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花のをとめ ハインリッヒ・ハイネ
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妙《たへ》に清らの、あゝ、わが児《こ》よ、
つくづくみれば、そゞろ、あはれ、
かしらや撫でゝ、花の身の
いつまでも、かくは
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