つれて必要に迫られて方面軍の編成となったが、若しドイツが会戦前第一ないし第三軍を一方面軍に編成してあったならば、戦争の運命にも相当の影響を及ぼし得た事であったろう。現状に捉われず、将来を予見した識見はなかなか得られない事を示すとともに、その尊重すべきを深刻に教えるものと言うべきである。

   第六章 将来戦争の予想

     第一節 次の決戦戦争は世界最終戦争
 かつて中央幼年学校で解析幾何の初歩を学んだ。数学の嫌いな私にもこれは大変面白く勉強出来た。掛江教官が「二元の世界すなわち平面に住む生物には線を一本書けばその行動を掣肘し得らるるわけだが、三元の世界即ち体に住む我らには線は障害とならないが、面で密封したものの中に入れられる時は全く監禁せられる。しかし四元の世界に住むものには我々の牢屋のようなものでは如何ともなし得ない」等という語を非常に面白く聴いたものである。
 鎌倉に水泳演習の折、宿は光明寺で我々は本堂に起居していた。十六羅漢の後に五、六歳の少女が独りで寝泊りしていたが、この少女なかなか利発もので生徒を驚かしていた。ある夜の事豪傑連中(もちろん私は参加していない)が消灯後海
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