きものなどを始末しながら、古い足袋《たび》、腰巻きなどを引っ張り出していた。「何だか埃々《ごみごみ》してるじゃありませんか、お正月が来るってのに、これじゃしようがないわ。私はまた、自分の損得にかかわらず、見るとうっちゃっておけないという性分だから……。もういつからかここが気にかかってしようがなかったの。」といろいろな雑物《ぞうもの》を一束にしてキチンと行李にしまい込んだ。
新吉は苦い顔をして引っ込む。
こういうような仕事が二日も三日も続いた。お国はちょいちょい外へ買物にも出た。〆飾《しめかざ》りや根松を買って来たり、神棚《かみだな》に供えるコマコマした器などを買って来てくれた。帳場の側に八寸ばかりの紅白の鏡餅《かがみもち》を据えて、それに鎌倉蝦魚《かまくらえび》や、御幣を飾ってくれたのもお国である。喰積《くいつ》みとかいうような物も一ト通り拵えてくれた。晦日《みそか》の晩には、店頭《みせさき》に積み上げた菰冠《こもかぶ》りに弓張《ゆみはり》が点《とも》されて、幽暗《ほのぐら》い新開の町も、この界隈《かいわい》ばかりは明るかった。奥は奥で、神棚の燈明がハタハタ風に揺《ゆら》めいて、小
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