風情と見くびっているようには見えず、わが子の愛人としての情愛も一応は受け取れるので、少し話の長いのに痺《しび》れを切らしながら、じっと聴いていた。
「それでは随分御苦労なさったのですね。」
「大変長話で貴女《あなた》も御迷惑でしょうけれど、そういう訳で、私もあの子には世間から後ろ指を差されるようなことはさせたくありません。女親は甘いからあんな子息《むすこ》が出来たといわれても、御先祖へ相済まんことです。決して真吾《しんご》と貴女のしていることが、悪いというのではありません。真吾もいろいろ家の都合で高等の教育を受けておりませんが、人間はあの通りまんざら馬鹿でもないようです。貴女もお逢いしてみると、あまり商売人らしくもないようにお見受けしますし、評判も悪くないようで、そこらの商売屋か何かでしたら、芸者を家へ入れるということも、無いことではありませんから、そうしてやりたいとは思いますけれど、そこが今お話しした門閥の辛《つら》さで、側《はた》の目が多いし、世間の口も煩《うるさ》いというわけで、入ってからがなかなか辛抱できるものじゃございません。私の経験から申しても、貴女の不幸になればとて、決し
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