のごろ少し使いすぎるくらいのことを言っているかも知れないわ。」
「そんなはずはないと思うけどな。君んとこも半季々々に僕から取るものはちゃんと取っているからね。」
「何だか解《わか》んないけど、そんなもの持ち出しても仕様がないでしょう。」
十二
倉持が株券の詰まった鞄をひっさげて、そのまま帰ってから三四日も間をおいて、銀子はまた同じ家《うち》から早い口がかかり、行ってみると、女中が段梯子《だんばしご》の上がり口へ来て、そっと拇指《おやゆび》を出して見せ、倉持の母が逢《あ》って話をしてみたいと言って、待っていると言うのだった。倉持もせっかく株券を持ち出して来ても、それが売れない山と同じに先を越されて罐詰《かんづめ》になっており、下手をすれば親類合議で準禁治産という手もあり、妄動《もうどう》して叔父たちの係蹄《わな》にかからないとも限らないのであった。事情を知っている待合のお神にも、それとなく忠告され、彼もようやく考え直し、株券を元の金庫へ納めたのだったが、そのことがあってから、母もにわかにあわて出し、解決に乗り出したものだった。
ちょうどこの花柳界に、煙草屋《たばこや》
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