は神の声である」と主張し通して焚《や》かれて行く場面や、ジャンヌについて何も知らないながらに、画面から受ける彼女の刺戟《しげき》は強かった。そこへ婆やが来たのであった。
「何だかあんたに話があるそうですよ。瀬尾|博士《はかせ》も来ていられますから、急いで……。」
婆やはそう言って帰って行った。
銀子は何の話かと思い、赤ん坊を家《うち》において行ってみると、栗栖は博士とビールを呑《の》みながら洋食を食べていたが、銀子の分も用意してあった。
「まあ、こっちへ来たまえ。飯でも食いながらゆっくり話そう。」
五十年輩の瀬尾博士は、禿《は》げかかった広い額をてかてかさせていたが、どうしたのか、銀子から目をそらすようにしていた。栗栖は、しばらくするとちょっと腕時計を見て、
「それじゃ僕はちょいと行って来ます。今日は謡《うたい》の稽古日《けいこび》なのでね。お銀ちゃんもごゆっくり。」
と銀子にも言葉をかけて出て行った。
「何ですの、お話というの。」
銀子はフォークも取らずに訊《き》いてみたが、博士に切り出されてみると、それはやはりあの問題で、博士はこの結婚に自分も賛成であったことを述べてから
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