に反抗的な態度を取るようになった。
 ある晩なぞ枕頭《まくらもと》においた栗栖の写真を見て、彼はいきなりずたずたに引き裂き、銀子の島田を※[#「※」は「てへん+劣」、第3水準1−84−77、383−下8]《むし》ったりした。
 マダムは死際《しにぎわ》に、浜龍にはどうせ好い相手があって、家を出るだろうから、銀子は年も行かないから無理かも知らないけど、気心がよく解《わか》っているから、マダムの後釜《あとがま》になって、商売を受け継ぐようにと、そんな意味のことも洩《も》らしていた。その時になると、マダムは死後のことが気にかかり、栗栖のことは口へ出しもしないのだった。この社会に有りがちのことでもあり、親や妹たちもいるので、銀子もよほど目を瞑《つぶ》ろうと思うこともあったが、脂肪質の顔を見るのも※[#「※」は「さんずい+垂」、383−下17]液《むしず》が走るようで、やはり素直にはなれないのだった。出たてのころ目につくのは、大抵若いのっぺりした男なのだが、鳥居の数が重なるにつれ、若造では喰《く》い足りなくなり、莫迦々々《ばかばか》しい感じのするのが、彼女たちの早熟の悲哀であった。しかし銀子はま
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