ったが、宴会の席で浦島などを踊っても、水際《みずぎわ》だった鮮かさがあった。出たてには銀子の牡丹も、自分の座敷へ呼んでくれた。
「今日牡丹ちゃん呼んであげるわ。余計なこと喋《しゃ》べらないことよ、そしてちゃかちゃかしないで落ち着いているのよ。」
 彼女は少しそそっかしい銀子に言うのであった。
 銀子が行ってみると、それは小山という六十年輩の土地の弁護士で、浜龍のペトロンであった。銀子はお酌《しゃく》をしたり、銚子《ちょうし》を取りに行ったり、別にすることもなかったが、余計なことを封じられたのは、浜龍にはこのほかにも一人材木屋のペトロンがあり弁護士のことも承知の上なので、昼間来て晩方引き揚げるのだったが、この男が帰ると彼女はいつも貰《もら》ったお札《さつ》の勘定をするのだった。
 養女で看板借りなので、ほかの抱えと一緒の部屋には寝ないで、離れの一|棟《むね》を占領していたが、食事の時もみんなと一つの食卓には就《つ》かず、ちょっとした炊事場も離れについていたので、そこで自分だけの好きなものを拵《こしら》えたり、通りの洋食や天麩羅《てんぷら》を取り寄せたりして、気儘《きまま》に贅沢《ぜいたく
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