で、独りで南部坂を唸《うな》ったりしていた。
 銀子は秋に披露目《ひろめ》をしたのだったが、姐さんたちに引き廻されているうちに、少しずつ座敷の様子がわかり、客の取做《とりな》しもこなれて来て、座敷は忙しい方だったが、ある晩医専の連中に呼ばれて、もう冬の寒い時だったので、狐拳《きつねけん》で負けるたびに、帯留め、帯揚げ、帯と一枚々々|剥《は》がされ、次ぎには罰杯のコップ酒を強《し》いられ、正体もなくへとへとに酔って帰ったことがあったが、家の閾《しきい》を跨《また》ぐ途端一度に酔いが発して、上がり口の廊下に崩れてしまった。
 やがて銀子は親爺の両手に抱かれ、二階の四畳に寝かされたが、翌朝目がさめても、座敷を貰《もら》った後のことは、何一つ覚えがなかった。

      七

 朝目のさめた銀子の牡丹は、頭脳《あたま》の蕊《しん》がしんしん痛んだ。三味線《しゃみせん》に囃《はや》されてちょんぬけをやり、裸になる代りに酒を呑まされ、ヘベれけになって座敷を出たまでは覚えているが、帰ってから二階で親爺に介抱されたような気もするが、あのくりくりした目で見ていられたようにも思われ、それが幻覚であったよ
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