の骸《むくろ》や、屋根の上に啼いてゐる鴉《からす》や電信柱に垂下《ぶらさが》ツて猿のやうに仕事をしてゐる人や、其をまたさも感服したやうな顏で見物してゐる猿の子孫に相違が無いと思はれる人や、それから犬の喧嘩や人の諍《いさかひ》。手錠を箝《は》められた囚人や其を護送する劍を光らせる巡査や、または肥馬に跨《またが》ツた聯隊長や、其の馬の尻にくツつい[#「くツつい」に傍点]て行く馬丁や、犬に乘つた猿や、其の犬を追立《おツた》てて行く猿※[#「廻」の正字、第4水準2−12−11、229−上段6]《さるまはし》や、それからまた妄《やたら》と鞭《むち》で痩馬をひツぱた[#「ひツぱた」に傍点]くがたくり[#「がたくり」に傍点]馬車の馭者《ぎよしや》や、ボロ靴で泥を刎上《はねあ》げて行く一隊の兵卒や、其の兵隊を誘致して行くえら[#「えら」に傍点]さうな士官や、犬を嗾《けし》かけながら犬の先になツて走る腕白小僧や、或は行路病者、※[#「廻」の正字、第4水準2−12−11、229−上段11]國巡禮、乞食僧侶、或はまた癩病患者、癲疳持《てんかんもち》、狂人《きちがひ》、鼻ツかけ、眼ツパ、跛《びツこ》、蹇《ゐざ
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