っているか、私もそこまで研究しないし、第一、そんな事を研究している人も無いが、その味から云えば、生には及ばないでも、相当量に含有している事は明らかである。
時代おくれの副菜物視され、昆布屋に新人が無いから、昔の菓子昆布とか、塩、揚げ、おぼろ位にしか製品が区別されていないが、もし他の物と一所にしたり、昆布のみで他種の物にしたり、生昆布を売出したりしたなら、その栄養価の十分と、その味とによって、もっと東京への侵入を許すであろう。
ヨードが、含まれているから、青年男女は、性病の治療法の一つとして「昆布ガム」を愛用すべしと。これなら、親爺の前で、しゃぶっても、大丈夫である。宣伝と製法によっては「味の素」が、世界的になったように、昆布の出汁は、十分、西洋料理にも、入りうるようになるであろうし、鰹節よりも「昆布エキス」を重宝するかもしれない。
何故、大阪人が、昆布をもっと宣伝し改良し、発達せしめないか、私が昆布屋なら、確に昆布の応用をもっと、広くしていたであろう。
昆布茶は、少し、腹にたまるがうまい物だし(ヨードは確高血圧にも、よかったと憶えている)。塩昆布は、茶漬として淡白この上無しと、
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