つたと共に、その性質も亦その罪悪の上に大なる影響を与へたに相違ないと、自分は友の話を聞きながら、つくづく心の中に思つた。
* * *
此後の重右衛門の歴史は只々《たゞ/\》驚くべき罪悪ばかり、抵当に取られた自分の家が残念だとて、火を放《つ》けて、獄に投ぜられ、六年経つて出て来たが、村の人の幾らか好くなつたらうと望を属《しよく》して居たのにも拘《かゝは》らず、相変らず無頼《ぶらい》で、放蕩《はうたう》で後悔を為るどころか一層大胆に悪事を行つて、殆ど傍若無人といふ有様であつた。其翌年、賭博《とばく》現行犯で長野へ引かれ、一年ほどまた臭い飯を食ふ事になつたが、二度目に帰つて来た時は、もう村でも何うする事も出来ない程の悪漢《わるもの》に成り済《すま》して、家も無いものだから今の堤下《どてした》に乞食《こじき》の住むやうな小屋を造つて、其処に気の合つた悪党ばかり寄せ集め、米が無くなると、何処の家にでもお構ひなしに、一升米を貸して呉れ、二升米を貸して呉れと、平気な面《つら》して貰ひに行く。そして、少しでも厭な素振を見せると、それなら考があるから呉れなくても好いと
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