んちは、ごきげんはいかがですか」
山彦「こんちは、ごきげんはいかがですか」
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少年少女顔を見合せて笑う。
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少年少女「あなたは好《い》い方ですね」
山彦「あなたは好い方ですね」
先生「どうだね、山彦は正直だろう。どれ私は行こう、仲よく遊んでおいで」
少年「先生、さよなら」
少年少女「さようなら」
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先生下手へ去る。
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第二景
舞台は前景のまま、少年は木の枝など振りて歩きまわる。
少女摘草などする。
この時舞台裏から左《さ》の歌が聞える。
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ころ ころ 小山の 小兎《こうさぎ》は
なぜに ころ ころ お泣きだえ
お母さんがないか
実がないか
お母さんは そばに いなさるし
木の実は お山に あるけれど
九十九人の猟人《かりうど》が
九十九谷をとりまいて
母子《おやこ》もろとも打つわいな。
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少年「山彦《やまびこ》がまた歌い出したよ
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