春
竹久夢二
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)画《くぎ》り
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時
ある春の晴れた朝
所
花咲ける丘
人物
少年 (十三歳位)
少女 (十一二歳)
先生 (小学教師)
猟人 (若き遊猟家)
兎 (十二三歳少女扮装)
舞台は、桜の花など咲いた野外が好ましいが、室内で装置する場合には、緑色の布を額縁として画《くぎ》り、地は、春の土を思わせるような、黄土色の布か、緋毛氈《ひもうせん》を敷きつめる。背景は、神経質な電気の反射を避けるため、空も山も花も草も、それぞれの色の布を貼《は》りつけたものを用う。すべて舞台の装置も、演出も、神経的でなく、子供の本能と情操とが想像した、愛らしい朗《ほがら》かな春そのものの創造であること。
扮装《ふんそう》は、少年少女は平常着《ふだんぎ》のままでも好《よ》い、その他《ほか》は子供の空想の産物で好いが、先生は威厳を損じない程度にのどかな人物であること、猟人《かりうど》はずんぐりしていて意気なあわてもの、兎《うさぎ》は
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