首を傾《かたむ》、舞台裏でも歌を真似《まね》る。
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少年「誰だ!」
山彦「誰だ!」
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少女おどおどと少年に寄添う。
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少年「真似をするのは誰だい」
山彦「真似をするのは誰だい」
少女「兄さん、あたし怖くなったわ」
少年「怖かあないよ。誰かきっと悪戯《いたずら》をしているんだ」
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少年勇敢に力みながら
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少年「人の真似をするのは失敬だぞ!」
山彦「人の真似をするのは失敬だぞ!」
少女「大丈夫兄さん?」
少年「大丈夫だよ」山に向い「馬鹿《ばか》野郎」
山彦「馬鹿野郎」
少女「兄さん。向うの人きっと怒ったのよ」
少年「そうかなあ」
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少年も怖気《おじけ》づき、妹をかばう。
上手より吉野《よしの》先生登場。
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少女「あら先生よ」
少年「あ、吉野先生、こん
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