ど》る。
股《また》の下《した》から峠《とうげ》を見《み》れば
もしや越後《ゑちご》の山《やま》かと思《おも》ひ
泣《な》いてたもれなとも/″\に。
角兵衛獅子《かくべいじし》の身《み》の辛《つら》さ
輪廻《りんね》はめぐる小車《おぐるま》の
蜻蛉《とんぼ》がへりの日《ひ》も暮《く》れて
旅籠《やど》をとるにも銭《ぜに》はなし
逢《あひ》の土山《つちやま》雨《あめ》が降《ふ》る。
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夏《なつ》のかはたれ
一《ひ》や
二《ふ》や
お駒《こま》さん。
煙草《たばこ》の けむりは
丈八《ぢやうは》つあん…………
とん/\とんとつく手鞠《てまり》。
白《しろ》い指《ゆび》からはなれて見《み》れど
未練《みれん》が残《のこ》るといつたよに
やるせないよに往来《ゆきき》する。
ゆら/\ゆれる伊達帯《だておび》から
江戸紫《えどむらさき》の日《ひ》が暮《く》れる。
三《み》や
四《よ》や
夕霧《ゆふぎり》さん………
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夢《ゆめ》
春《はる》の夜《よ》の、夢《ゆめ》の一《ひと》つはかくなりき。
丹塗《にぬり》の欄《らん》の長廊《
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