に思《おも》つて撃《うた》ないでつれてかへつて可愛《かあい》がつて飼《かつ》てやりました。
するとその辺《へん》に住《す》んでゐた太郎《たらう》ぢやない、次郎《じらう》といふ子供《こども》が、その鸚鵡《あうむ》を盗《ぬす》んでポツケツトへ入《い》れました。
猟人《かりうど》[#ルビの「かりうど」は底本では「りうど」]は鸚鵡《あうむ》がゐないので「おまへはどこへいつた」と言《い》ひますと、鸚鵡《あうむ》は子供《こども》のポツケツトの中《なか》で「わたしはこ※[#二の字点、1−2−22]にゐる」と答《こた》へました。
[#改ページ]
しか
鹿《しか》が小川《をがは》の水《みづ》の中《なか》に立《た》つて、自分《じぶん》の姿《すがた》を水《みづ》に映《うつ》して
「おれの角《つの》はなんて美《うつく》しいんだらう。だが、この足《あし》の細《ほそ》いことはどうだろう、もすこし太《ふと》かつたらなア」と独語《ひとりごと》を言《いつ》た。そこへ猟人《かりうど》が来《き》た。おどろいて鹿《しか》は迯《に》げだした。細《ほそ》い足《あし》のおかげで走《はし》るわ、走《はし》るわ、よつぽど遠《とほ》
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