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らくだ
太郎「らくだよ らくだ
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なんておまへはなまけものなんだろう[#「なんだろう」は底本では「なんだろら」]。
のらくら のらくらと一日《いちにち》なまけてゐるではないか」
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らくだ「坊《ぼつ》ちやん。私《わたし》が好《い》い見《み》せしめです。
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あんまりなまけたので昔《むかし》私《わたくし》の先祖《せんぞ》は神様《かみさま》に撲《なぐ》られまして、ごらんの通《とほ》り身体中《からだぢう》瘤《こぶ》だらけになりました」
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あうむ
ある猟人《かりうど》が、山《やま》[#ルビの「やま」は底本では「ま」]へ猟《かり》にゆきますと、何処《どこ》からか鸚鵡《あうむ》の啼声《なきごゑ》が聞《きこ》えます。声《こゑ》はすれども姿《すがた》は見《み》えぬ、猟人《かりうど》は途方《とはう》にくれて「おまへはどこにゐる」と言《い》ひますと「わたしはこ※[#二の字点、1−2−22]にゐる」と答《こた》へた。猟人《かりうど》は、その無邪気《むじやき》な鸚鵡《あうむ》を可憐《かあい》そう
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