ージ]

キバタン

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太郎「おまへは何処《どこ》から来《き》たの」
キバタン「印度《いんど》から来《き》ました」
太郎「印度《いんど》は黒坊《くろんぼ》ばかりゐるのかと思《おも》つたら、おまへのやうな白《しろ》い鳥《とり》もゐるのかい」
キバタン「なあに、昔《むかし》は黒《くろ》かつたんですが、あんまり太陽《たいやう》の光《ひかり》がきついもんですからはげてしまつたんです」
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とら

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動物園のおぢさん「ある時《とき》、白《しろ》い夏服《なつふく》を着《き》た巡査《じゆんさ》が、剣《けん》か何《なん》かでこの虎《とら》をおどかしたことがありました。それからといふもの白《しろ》い服《ふく》を着《き》た巡査《じゆんさ》が来《く》ると怒《おこ》ります」
太郎「おぢさん、虎《とら》はよく覚《おぼ》えてゐますね」
おぢさん「一度《いちど》そんなことがあると決《けつ》して忘《わす》れません」
太郎「虎《とら》が客《きやく》に向《むか》つて放尿《ほうねう》してもおまはり
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