るとき。
雪はしんしんふりしきる。
黄《きい》な袋《ふくろ》の石版《いしずり》の
異形《いぎやう》な虫《むし》のわざはひか。
雪はしんしんふりしきる。
銀《ぎん》ぎらぎんのセメン円《ゑん》
とのもは雪のつむけはひ。
[#改ページ]
雀 踊
青い眉《まゆ》したたをやめが
金《きん》の墨絵《すみゑ》の扇《あふぎ》にて
そつとまねけばついとくる
はらりとひらけばぱつととぶ。
雀《すゞめ》おどりのおもしろさ
やんれやれやれやせうめ
京《きやう》の町のやせうめ
うつるるものはみせうめ
あれあれあれとみるほどに
奴姿《やつこすがた》の小雀《こすゞめ》は
山《やま》のあなたへとびさりぬ。
[#改丁、挿し絵入る、37]
[#改丁]
わたり鳥
日本《にほん》の春のこひしさに
シイオホスクの海角《みさき》より
はるばる波をわたり鳥《どり》。
庄屋《しやうや》の軒《のき》に巣《す》をかけて
雛《ひゝな》を六|羽《ぱ》うんだれど
三|羽《ば》の雛《ひな》は死《しに》ました。
のこる三|羽《ば》は※[#「※」は「木へん+弟の下半分のような字」、第3水準1−85−57、40−1]《か
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