め》ざまし
甘《あま》くて辛《から》くて酸《すつぱ》くて
きんぎよくれんのかくれんぼ
おつぺけぽうのきんらいらい」
観音《くわんのん》堂《だう》の境内《けいだい》は
のぞきからくり犬《いぬ》芝居《しばゐ》
「ものはためしぢやみてござれ
北海道で生捕《いけど》つた
一本《いつぽん》毛《け》のないももんがあ
絵《ゑ》看板《かんばん》にはうそはない
生きてゐなけりや銭《ぜに》やいらぬ」
「可哀《かあい》さうなはこの子でござい
因果はめぐる水車《みづぐるま》
一寸法師《いつすんほふし》の綱《つな》わたり
あれ千番《せんばん》に一番《いちばん》の
鐘《かね》がなろともお泣きやるな」
「やあれやれやれやれきたわいな
のぞきや八文《はちもん》天保銭《てんぽせん》
花のお江戸は八百八町《はつぴやくやちやう》
音《おと》にきこえた八百屋《やほや》の娘
年《とし》は十五《じふご》で丙午《ひのえうま》
そなたは十四《じふし》であらうがの
いえいえ十五《じふご》でござんする。
八百屋《やほや》お七《しち》がおしおきの
お眼《め》がとまれば千客様《せんきやくさま》」
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郵便脚夫
「郵便
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