》狂言《きやうげん》のびらの絵が
雪にふられておりました。
[#改ページ]
かくれんぼ
豆《まめ》の畑《はたけ》にみいさんと
ふたりかくれてまつてゐた。
とほくで鬼《おに》のよぶ声が
風《かぜ》のまにまにするけれど
ちらちらとぶは鳥《とり》の影《かげ》。
[#改丁、挿し絵入る、75]
[#改丁]
まてどくらせど鬼はこず。
森《もり》のうへから月がでた。
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郵便函
郵便《ゆうびん》函《ばこ》がどうしたら
そんなにはやくあるくだろ。
わたしの神戸《かうべ》のおばさまへ
わたしのすきなキヤラメルを
おくるやうにとしたためて。
郵便函へあづけたが
三つほどねたそのあした
わたしのすきなキヤラメルは
ちやんとわたしについてゐた。
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山 賊
乳母《うば》の在所《ざいしよ》は草わけの
山また山の奥でした。
ある日のことに※[#「※」は「女へん+弟の下半分のような字」、80−6]《あね》として
乳母《うば》をたづねにゆきました。
わたしは土産《みやげ》を腰につけ
※[#「※」は3行上の「あね」と同じ字、80−9]《あね》は日傘《ひがさ》をさしかけて
赤
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