うに思はれた。
※[#始め二重括弧、1−2−54]ひやあ、どうもはや、これは何といふ燈火《あかり》だらう!※[#終わり二重括弧、1−2−55]と、鍛冶屋は心ひそかに呟やいたものだ。※[#始め二重括弧、1−2−54]村ぢやあ昼間だつて、かうは明るくないのに。※[#終わり二重括弧、1−2−55]
馬車は宮殿の前で停つた。ザポロージェ人たちは車を降りて、壮麗な御車寄へ歩を進め、まぶしいほど光り輝やいてゐる階段を登つて行つた。
※[#始め二重括弧、1−2−54]何といふ素敵もない階段だらう!※[#終わり二重括弧、1−2−55]と鍛冶屋は胸の中で呟やいた。※[#始め二重括弧、1−2−54]足で踏むのは勿体ない。実にどうも、この装飾《かざり》はどうだ! よく話半分といふけれど、何が半分どころか! これはどうだい! 何といふ素晴らしい欄干だらう! この細工はどうだ! この鉄材だけでも、五十|留《ルーブリ》がものは要《い》つとるぞ!※[#終わり二重括弧、1−2−55]
階段を登りきつたザポロージェ人たちは、第一の大広間を横切つた。鍛冶屋は嵌木床《パルケット》のうへで辷りはせぬかと一歩々々に心を配り
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